ベルギー  1995年10月


ブリュッセル公園の南側に隣接している王宮。
現国王の居住用はラーケン王宮で、こちらは執務用。
屋根上に国旗が掲揚されているときは王が国内にいることを示しているとか。
18世紀のルイ王朝風の威厳ある建物である(1995年10月)。

小便小僧、レース編み
○ 背丈60cm程度のブロンズ像に過ぎないが、「ブリュッセルの最長市民」のキャッチフレーズで町のシンボルとなっている小便小僧。

○ 造られたのは1619年とのことだから、すでに400歳ほどの長老ということになる。別名「ジュリアン君」としても親しまれている世界的な人気者とあって、観光客は後を絶たないほどの人気。カメラに収めるのも容易ではなかった。


○ ベルギー名物といえば、「ビール、ムール貝、レース編み」か。

○ ビールの種類は国内に400種類以上あるとのことで、まさにビール王国というべきかもしれない。

○ ムール貝の白ワイン蒸し。風味のよさは格別で、「バケツ一杯」と形容されるようにその量の多さにも驚かされる。

○ 主にブリュッセルとブリュージュで生産されているといわれるレース編み。中世以来の伝統をもつ工芸品で、美しいデザインと繊細な編み目で知られる世界的な名品には心が惹かれる。


グラン・プラス
○ ブリュッセルを訪れる人は誰もが必ず足を運ぶともいわれる広場、グラン・プラス。

○ 市の中心部のいわゆる旧市街中心地にあって、石畳を敷き詰めた広場の四方はゴシックやバロック様式のギルドハウスで囲まれている。独特の雰囲気をかもし出す場所でもある。

○ 広場の一角では花市らしい店や小鳥を売る店も出され、大勢の人で賑わっていた。




アントワープ・ノートルダム大寺院、市庁舎
○ アントワープの中心地・フルン広場では、ノートルダム大寺院をバックにして立っているフランドルの偉大な画家・ルーベンスの銅像が手を広げて市民を歓迎しているかのようだ(写真左)。

○ ノートルダム大寺院は、ベルギー最大のゴシック様式の教会。
650年以上前の1352年に建設が始まり、完成したのはなんと200年の歳月を経た後とのことだから、気の遠くなる話である。

○ 大寺院の中に掲げられているルーベンスの傑作品は、時間の関係で鑑賞出来なかった。かえすがえすも残念!
ネロ少年を魅了したあの祭壇画・「キリストの昇架」「キリストの降架」などなど…。

○ 大寺院の裏手のグローテ・マルクト広場には、アントワープの名前の由来になったとされるブラボーの像が噴水の役目をして、水を吐き出している。
その背後にある建物が、アントワープ市庁舎。厳かなルネッサンス調のギルドの建物が並んでいるなかで、当時の栄華が伝わってきそうな雰囲気(写真右)。


『フランダースの犬』を求めてアントワープへ
○ およそ駅らしい雰囲気のしないブリュッセル中央駅構内(写真左)。

○ その地下ホームから発車する電車に乗って、ブリュッセルの北方約45kmにあるアントワープへ。
オランダ国境までわずか30kmほどの地点である。

○ アントワープ中央駅から市電に乗って(写真右)、ホーボーケンという片田舎にあるといわれる「ネロ少年とパトラッシュの銅像」の在り処を訪ねることにした。

○ かつて1975年(昭和50年)前後に、日本中のお茶の間の人気を博したテレビアニメ「フランダースの犬」。
何としても、ネロ少年と愛犬パトラッシュに会いたい気分にかられる。

○ 最寄の停留所で降りる。何の変哲も無い町で、住宅地でもなし、工場地帯ともいえない場所。
散々探しあぐねた末に、民家の庭先にいたおばさんに聞いてやっとたどり着くことが出来た。

○ 物語の舞台となった田園風景やミルク広場のイメージは全く浮かんでこない。

○ しかし、この一帯が「ネロとパトラッシュの住んでいた村」としての舞台となったのかと、物語の場面がいくつか思い出されることとなった。


ブリュッセル中央駅
○ ブリュッセル中央駅はブリュッセル空港からは南西に約10kmの至近距離にあり、文字通り、市の中心部に位置している。

○ 駅舎はアール・ヌーボーの建築家が設計したとのことで、アール・ヌーボー調。駅の構内も、日本的感覚からすると少しヘンな感じ。

○ 正面入り口に掲げられている駅名表示を見ると、左側にはワロン語で「BRUXELLES CENTRAL」、そして右側にはフラマン語で「BRUSSEL CENTRAAL」と、仲良く併記されていた(写真左)。


ヨーロッパの心臓・ベルギー
○ 国の周囲をフランス、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグと国境を接しているベルギー。
西のドーバー海峡の先にはイギリスと通じており、「ヨーロッパの心臓」と呼ばれている所以が分るような気がする。

○ 九州よりやや小さい面積の中に9つの州がある。
ややこしいのは、言語境界線によって公用語が分けられていること。

○ 北部のフランドル地方はオランダ語圏、南部のワロン地方はフランス語圏とに分けられている。首都ブリュッセルはフランドル地方に含まれるものの、両方が公用語。さらにワロン地方の一部ではドイツ語も使われているというこの国独特の複雑な言語事情を実感することができる。