スペイン  1995年10月


縦94m、横128mの4階建て建物に囲まれた風格のある広場。
広場中央の騎馬像は、1619年にこの建物を完成させたといわれるフェリーぺ3世。
マドリッド中心部にあるマヨール広場には大勢の若者達がたむろしている(1995年10月)。

スペイン版新幹線・AVE
○ マドリッドのアトーチャ駅から西南へ約300kmのところにあるコルドバまで「新幹線」に乗る機会を得た。歴史的にも由緒ある街・コルドバではあるが、時間的な制約から、文字通りのトンボ帰りになってしまい、街中を歩くことが出来なかったのが残念であった。

○ 92年4月に開通したスペインの新幹線「アベAVE」。AVEとは"Alta Velocidad Espanola"の略で「スペイン高速」という意味らしい。また、鳥類もスペイン語で「AVE」ということなので、電車がまさに飛ぶ鳥のように疾走するというイメージなのだろう。

○ 車内での食事サービスは、豪華で楽しいものであった。美味しい食事をとりながら眺める見渡すかぎりのオリーブ畑は、見ごたえのあるものでもあった。


古都・トレド
○ スペイン広場前のプラザホテル前から観光バスに乗って、マドリッドの南約70kmのトレドへ日帰り旅行に出かけることにした。

○ 16世紀に首都がマドリッドに移るまでスペインの首都として栄えたトレド。






○ タホ川によって三方がぐるりと囲まれた丘の上に建ち、自然の要塞を思わす古都・トレド。川を隔てて遠くから眺めるトレドの全景は圧巻だ(上左)。

○ クレタ島生まれの画家エル・グレコはスッカリ魅了されて、彼の後半の生涯をここで過ごしたとされる。中世のたたずまいを今なお残している。百聞は一見にしかず、である。

○ 細い道路が入り組んでいて、車一台がやっと通れるような細い道を進んでいくとカテドラルにたどり着く(下左)。

○ スペイン・カトリックの総本山で、ゴシック様式のモスクを15世紀に改築したものとか。中央礼拝堂を囲むようにして、いくつもの礼拝堂が配置されている。

○ 陽光に映えるステンドグラスも荘厳。全景をカメラの収めるのはなかなか難しかった。







闘牛場
○ もののついでにと、闘牛場に出かけて見ることにした。マドリッド市内に2ヶ所あるうちのひとつで最大規模を誇るとされるベンタス闘牛場へ。

○ タクシーで乗りつけた場内入り口付近は大勢の人ごみでごった返し、何だか異様な雰囲気をかもし出している。ウォーッ、ウォーッという大歓声も漏れ響いてくる。

○ 結局、チケットの購入もままならず、『雰囲気は分かった』と納得することにして引き揚げることにした。




情熱のフラメンコ
○ 「スペイン」から思い浮かべるもの。それは「闘牛」であり、「フラメンコ」であろうか。

○ 「フラメンコ」といえばスペイン南部の「アンダルシア」が代表的とされるが、首都マドリッドでもタブラオと呼ばれている専門店があり、本格的なショーを楽しむことができると聞いて出かけてみた。

○ 週末の夜とあって、店内は食事をとりながらのお客さんで大賑わいのイッパイ。








○ 放浪の民族ジプシーがアンダルシア地方に伝わった舞踊音楽を彼ら流に形づくって出来上がったのが、フラメンコのそもそもの始まりとの説明を聞いて、分ったようで分からないリズム。

○ 情熱的な調べに乗って、手拍子、足拍子で舞台を所せましと踊りまくる…。客と一体になってのフラメンコ・ショーは、かなりの夜更けまで続いていった。



スペイン広場とプエルタ・デル・ソル
○ マドリッド最大の大通りグラン・ビアを西方に進むと、スペイン広場に突き当たる。1930年にスペインの代表的小説家・セルバンテスを記念して造られた広場とのこと。

○ 中央にはセルバンテスの像があって、老騎士ドン・キホーテと従者サンチョ・パンサの像を見下ろしている。像の背後にあるのはスペインビルとマドリッド・タワー(左)。

○ スペイン広場から1kmほど東方にあるプエルタ・デル・ソルは、10本の道路が放射状に伸びている地点で、東京・日本橋同様ゼロkm地点にある。マドリッド自治政府の時計台(右写真の左方)があり、待ち合わせ場所としても利用されるとあって、大変な賑わいであった(右)。


開放的で明るい
○ 空港からマドリッド市内の中心付近まで約15km、極めて至近距離にある。ホテルまでのアシとして利用したタクシードライバーの態度、初印象としてワルイ。

○ これに対して訪問先の紳士、淑女から受けた印象は、すこぶる良好。解放的で、陽気だ。

○ 当地は、1年を通じて晴れた日が多く空気は非常に乾燥して、寒暖の差が激しい内陸性気候にあるという。彼らの性格が明るいのは、そのような気象条件が影響しているのかどうか、「科学的でない根拠」を想像させたりもした。


赤茶けた平原・ラマンチャ
○ スペインの空の玄関口であるマドリッド・バラハス国際空港に着陸する直前、機中の窓から見下ろす風景である。

○ 強烈な陽射しの中に赤茶けた地肌をさらけ出している丘陵の数々、そして広大な平原。

○ 見渡す限り荒野の続く地は、まさにラ・マンチャの地である。オリーブ畑だろうか、ドン・キホーテの旅をつい思い出させる光景である。