ハンガリー  1998年10月


ハンガリーの首都・ブダペスト市内をゆったりと流れるドナウ川と
ブダ側丘陵の上に建つ「ブダの宮殿」。ペスト側岸辺からの風景である。
(1998年10月)

英雄広場
○ 国会議事堂の東側にある「英雄広場」。ハンガリー建国1000年を記念して造られた公園で、広大な市民広場と直結している。広場の中央には大きな「建国千年記念碑」の塔が立っている。塔の足元にはハンガリーのマジョリティー民族であるマジャル族の首長と6人の部族長たちがガードしている(左)。

○ この広場にはかつてスターリンの像やレーニン像も飾られていたらしいが、今では撤去されている。

○ 市内の道端でよく見かける「フラワーショップ」。日本の花屋さんの陳列法と同じだが、花の種類は見慣れないものばかりであった(右)。


宮殿の丘から眺める「くさり橋」、丘の上の「マーチャーシュ教会」
○ ペスト側からブダ側へ渡る「くさり橋」を歩き終わると、宮殿の丘へ通ずるケーブルカー駅がすぐそばにある。小径を歩いて丘を登る方法もあるが、ここは時間短縮と車窓からの展望を楽しもうと、安易な方法を選んだ。

○ 丘の上に登って宮殿の庭、歴史博物館付近からドナウ川を見下ろす。ドナウ川の水は、ドイツ国内を源泉としてブダペストに流れ着き、さらにユーゴ、ルーマニア、ブルガリアの国々を通過して黒海へ流れ出るという、雄大な旅を続けている。時が経つのを忘れて眺め入る。見飽きない風景であった(左)。

○ 高さ80mもあるという見事な尖塔が、天に向かって突き刺しているマーチャーシュ教会。建立は13世紀後半というから800年近い歴史を持つことになる。トルコによる占領時にはモスクに改装されたり、トルコ撤退でカトリック教会に戻ったりの波乱に富んだ過去を持っている、との説明を聞いて写真をパチリ(右)。


両岸を結ぶ橋
○ ドナウ川の川幅は約400mあるといわれ、ブダとペストの両岸は6つの橋と2つの鉄橋で結ばれている。

○ 最初に出来た橋は「くさり橋」と呼ばれており、約150年前に造られたらしい。橋の両側には、4頭の「舌のないライオン」が大きな口を開けて、橋を守っている(左)。

○ 橋を中間地点ぐらいまで進んで、橋の上から眺める国会議事堂の絵もまた素晴らしい(右)。夜になると、くさり橋や宮殿、国会議事堂などはライトアップされ、さらに美しい光景が繰り広げられるとのことであったが、残念ながらその風景に接する機会は得られなかった。


ドナウ川をはさんで、「ブダ」と「ペスト」
○ 市内の中央部を北から南へ流れるドナウ川。川上に向かって左手が「ブダ」で、右手が「ペスト」と呼ばれる。

○ ペスト側から眺める「ブダの宮殿」(左)、そしてブダ側から眺める「ペストの国会議事堂」。いずれも、絵に描いたような見事な風景である。

○ 少しひんやりする冷気を感じながら、川沿いの道路を歩いてみた。一般市民なのか観光客なのか、川沿いの散策を楽しんでいる何人かの光景に出会うことが出来た。


きれいな街並みと岸辺を散策
○ ひと通りの少ない早朝の時間帯、スッカリ紅葉した街路樹の落ち葉を清掃している人に出会った。「赤地に白」マークのあるゴミ箱に落ち葉をかき集めている清掃人。彼が着用していたユニフォームも、同じような色合いのものであった(左)。

○ 岸辺の道路沿いには、気楽に立ち寄れるレストランなどの「語らいの場」がある。「ショール」とか呼ばれるノドごし爽やかなビールを飲みながら、川の流れと丘の上の宮殿を眺めていると、ゆったりした気分になってくる(右)。


関連先への訪問、初対面の印象

○ 東欧諸国の中で最も小さな国、ハンガリー。日本の4分の1ほどの国土に、東京都の人口に匹敵するぐらいの人たちが生活しているとのこと。美しい街並みが印象的である。

○ 接する人々から受ける印象。
戦後進められた「ソ連型社会主義」に対する国民の反発運動(ハンガリー動乱)がきっかけとなって、市場経済への改革がいち早く進められたこの国の歴史的経緯を思うとき、彼らはすぐれた「現実感覚」を持ち合わせている民族なのだろう、との気持ちを強く感じた。