京都・てくてく歩き
03年5月18・19日



(2003/5/19 : 東福寺)

  古都・京都は、行き先々眩しいばかりの新緑でいっぱい。気の向くままに、歩きに歩いた2日間の寸描記録。歴史のおさらいの場でもあった。

てくてく歩きした主要ルート(市バス・市営地下鉄・京都バス2日間乗り放題 2千円なり)
京都駅前ホテル→(地下鉄烏丸線・京都駅→東西線・蹴上駅)→琵琶湖疎水記念館→京都市美術館→平安神宮→南禅寺→水路閣→若王子神社→《哲学の道》→大豊神社→法然院→銀閣寺→(バス・銀閣寺道前→真如堂前)→真如堂→岡崎神社→(バス・岡崎神社前→祇園)→八坂神社→祇園→(バス・祇園→京都駅)→ホテル→(バス・京都駅→祇園)→祇園(バス・祇園→京都駅)→ホテル

京都駅前ホテル→(バス・京都駅→金閣寺道)→金閣寺→《きぬかけの道》→龍安寺仁和寺→立命館大学前→(バス・立命館大学前→京都駅)(バス・京都駅→東福寺)東福寺→(JR東福寺駅→京都駅)→ホテル


平安神宮
  平安建都1100年を記念して、1895年(明治28年)に造営。平安京創始者の桓武天皇と平安京最後の孝明天皇を祀る。平安京の正庁、朝堂院の形式を模して造られたもので、鮮やかな朱塗り造りの社殿は見事。

  社殿の背後には約3万uの神苑があり、3つの池(白虎池、蒼竜池、栖鳳池)の周囲には四季折々の花々が絶えることはないという。

  出会う機会の少ない「河骨(こうぼね)」の花が池の中央付近で咲き始めていた。が、撮影結果は不満足なものに終わってしまって残念。


中神苑・蒼竜池では杜若や赤白の睡蓮が花盛りであった。河骨の花も間もなく見頃を迎えそう。鶴の形をした杜若(画像左)は光格天皇ご遺愛のものとかで、その名も「折鶴」。


法然院
  山寺の静寂さが素晴らしい。法然上人の旧跡で、専修念仏の道場として歴史を刻む。うっそうとした参道を抜けてモミジに覆われた茅葺き山門をくぐると、きれいに手入れされた白砂の砂盛り(白砂壇)が現れる。閑寂さが伝わってくる。

  堂内には、恵心僧都作の本尊阿弥陀如来や堂本印象作の襖絵もあるとか。


哲学の道
  銀閣寺から熊野若王子神社までの琵琶湖疎水に沿った約2kmの小道。京都帝国大学の西田幾太郎や河上肇らの哲学者がこの道をよく散策したことからの命名とか。

  春は桜に覆われ、夏はホタルが飛び交う。秋はモミジが彩り、冬は雪景色に変貌。春夏秋冬の景色変化が楽しめる道。ガッテン。さもありなんと思う。
法然院・茅葺き山門。深い木立のなかで新緑が眩しい。 自然たっぷりな散策コース「哲学の道」である。かつての哲学者が通ったであろう光景を想像する。なるほど。


銀閣寺
  1482年(文明14年)、室町幕府八代将軍足利義政公によって建立されたもので、三代将軍義満公(義政の祖父)の北山殿金閣(鹿苑寺)にならって造営された。銀閣寺は俗称であり、正しくは東山殿(ひがしやまでん)・東山慈照寺(じしょうじ)

  義政公を中心として形成された東山文化の発祥地でもあるとされる。

国宝の銀閣(観音殿)。閣上には金銅の鳳凰。銀沙灘(ぎんしゃだん)・向月台(こうげつだい)の砂盛りも印象的。 展望所から銀閣を眺める。見渡す限りの新緑の中に浮かぶ観音殿の屋根。そのコントラストが素晴らしかった。
展望所の高台から洗月泉を通り、池泉回遊式庭園へ抜ける。上を見上げると、眩しいグリーンシャワーが降り注ぐ。
京の名物・精進料理 京のシンボル・京都タワー 祇園・花見小路


金閣寺
  1397年(応永4年)、三代将軍足利義満が別荘・北山殿を建立したもので、お釈迦様のお骨を祀った舎利殿「金閣」が特に有名なために金閣寺と呼ばれているが、正しくは「鹿苑寺(ろくおんじ)」。義満の死後、義満の法号「鹿苑院殿」から二字をとって名付けられた。

  二層と三層は漆の上から純金の箔が張ってあり、屋根はさわらの薄い板を何枚も重ねたこけらぶき。屋根の先端には、中国でめでたい鳥といわれる鳳凰が輝いている。

  金閣の前にある鏡湖池を中心とした庭園や建築は極楽浄土をこの世に現わしたものとされ、その景色は素晴らしい。「北山文化」の象徴的なものだろうか。1987年(昭和62年)秋、漆の塗り替えや金箔の張替えなどの復元が行われた。

金閣と鏡湖池 金閣寺(鹿苑寺)鐘楼


龍安寺
  1450年(宝徳2年)、管領細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け寺地として開山したとされる。

  石庭について
  『・・・作者(相阿弥)は肉眼で見ようとする多くの人々を相手にせずに心眼の人と永遠に語ろうとする。正に天下無比の石庭であって、“石庭”と呼ぶよりはむしろ“無庭”“空庭”と名付けるべき庭であります。・・・』(現地案内板)

 方丈前庭の枯山水庭園は特別名勝で、庭一面の白砂に大小15の石を配した様は「虎の子渡しの庭」と呼ばれる

  これら石群については、「石の象(かたち)、集合、離散、遠近、起伏、禅的、哲学的に見る人」によって、それぞれ異なるといわれる。
枯山水式石庭。15個の石が配置されているが"一線"からは確認できない 方丈から仏殿に通じる庭。一面、ふさふさの苔で覆われている


仁和寺
  平安時代に第58代光孝天皇が西山御願寺として着工され、888年(仁和4年)、宇多天皇の時に完成。明治維新まで皇子皇孫が門跡となり「御室御所(おむろごしょ)」と親しまれてきた。

  名勝・御室桜のなかでも「御室有明」と呼ばれる種類の桜は、御室の地特有のものとしてよく知られている。また、仁和寺の門跡を家元にした「御室流華道」も有名。

宸殿。池が配置された北庭の先には五重塔が浮かび上がる。