三浦半島ぐるっと一周
〜ドライブ&てくてく歩き




(観音崎灯台展望台から東京湾・アクアライン方面を望む: 2003/10/15)


  三浦半島を海沿いにぐるっと一周する「ドライブ&てくてく歩き」。その掻い摘まみ記録である。
  横須賀・三笠公園〜観音崎灯台〜久里浜・ペリー上陸記念碑〜東京湾フェリー発着所〜三浦海岸(泊)〜剣崎灯台〜宮川〜城ヶ島〜三戸〜長者ヶ崎〜葉山・近代美術館の半島一周コース。強い陽射しと独特な潮の香り、そして半島地域文化?の吸収。1泊2日の駆け足旅行にしては、充足感あふれる旅であった(2003年10月15日〜16日)。



横須賀・三笠公園、記念艦三笠
三笠公園
  東京湾に浮かぶ唯一の自然の島・猿島を目の前に望み、「水と光と音」がテーマの公園である。公園横には猿島へ渡る船の発着場も。日露戦争で活躍した戦艦三笠が保存されている公園でもある。


戦艦三笠

 
明治34年(1904年)2月に始まった日露戦争において、東郷平八郎大将率いる連合艦隊の旗艦として奮戦。翌年5月の日本海海戦において、遠来のバルチック艦隊を全滅させたという世界三大記念艦のひとつ。「皇国興廃在此一戦」との仰々しい碑も建っている。



県立観音崎公園、観音崎灯台、久里浜・ペリー上陸記念碑
岬・観音崎
  三浦半島の東端に突き出た岬・観音崎は東京湾の入口にあり、対岸にある千葉県の房総半島富津(ふっつ)岬と向かい合っている。目の前に広がる浦賀水道は、客船や貨物船など大小様々な船が行き交う海上交通の要所。

観音崎灯台
  日本最初の洋式灯台として明治元年(1868年)8月30日起工し、翌年1月1日にフランス人技師フランソワ・ヴェルニーによって点灯された。起工日の8月30日は日本の「灯台記念日」となっている。2度の地震で崩壊し、現在の灯台は大正13年(1924年)に再建された3代目。

ペリー上陸記念碑
  嘉永6年(1853年)、黒船4隻を率いた米海軍艦隊司令長官ペリーは、米大統領の親書を携えて開国を迫った。幕府はやむなく久里浜に上陸を許可し、浦賀奉行が親書を受け取った。鎖国から開国へのきっかけである。記念碑が建てられている場所は会見所だったところ。碑文の「北米合衆国水師提督伯理上陸記念碑」は伊藤博文の筆によるもの。
かながわの景勝50選・観音崎石碑 観音崎のシンボル・白亜の灯台 伯理(ペリー)記念碑とペリー記念館



剣崎灯台
剣崎(つるぎさき)灯台
  観音崎灯台完成の2年後の明治4年(1871年)、イギリス人技師ブライトンによって初点灯された。崖に面した台地の先端に建つこの灯台は、正式には剣崎航路標識事務所と呼ばれる。無人で灯台内部の見学はできないが、灯台下付近から眺める房総方面の眺望は素晴らしい。
観音崎灯台と並ぶ東京湾の安全灯 灯台下の海岸は岩礁地帯が続く 険しい断崖上に建つ灯台



風力発電
三浦風力発電1号機・2号機(三浦市宮川)

  ここの風力発電設備は、三浦市が「人、まち、自然の鼓動を感じる都市」の実現化を図る一環として民間企業と共同で推進しているソフトエネルギー事業のひとつ。一面に広がる平地に建てられた2機の「風車」は、宮川湾から吹き付ける海風に乗ってぐるぐると廻りつづけていた。

タワーの高さ:35m、総重量:36t、風車形式:ストール型アップウィンドー、発電開始速度:3.0m/s、定格風速:14.0m/s、耐風速:60.0m/s、定格出力:400kw/100kw(現地案内板による)



城ヶ島大橋、北原白秋詩碑・記念館、県立城ヶ島公園

城ヶ島大橋
  マグロの水揚港として有名な三崎漁港の南に浮かぶ小さな島・城ヶ島と本土とを結ぶ橋。完成は昭和35年(1960年)4月。橋の海上部分の長さは235mで、わが国では最初の本格的な鋼製橋として最長を誇る。また海面からの高さは22mで、1000トン級の船が航行できるボックス・カーター式の橋としては東洋一。現在、橋げたのペンキ塗り替え中。

北原白秋詩碑・記念館
  北原白秋が家族と共に東京から三崎に移り住んだのは、白秋27歳の春。その頃、島村抱月からの依頼で、雨に煙る城ヶ島の姿を見ながら作ったのがこの詩であるという。それを記念する碑は城ヶ島大橋のたもとに建っており、高さは4m。完成したのは昭和24年(1949年)7月。
  碑には白秋の筆跡による「城ヶ島の雨」の詩「雨はふるふる城ヶ島の磯に利休ねずみの雨がふる」が刻まれている。詩碑の傍らには記念館があり、資料や写真などが展示されている。

県立城ヶ島公園
  三浦半島の最南端に位置する自然豊かな公園である。打ち寄せる波に洗われた岩礁地帯も見事な造形美を見せてくれる。海鳥ウミウの生息地としても有名で、県の天然記念物に指定されている。
大橋のたもとに建つ白秋碑 北原白秋記念館前の案内板 波に洗われる岩礁地帯



三戸・ダイコン畑、海と富士山
三戸地区の大根畑
  「大根畑を検分しながら、海を眺め、富士山を眺望してみたい・・・」との願望は、「三戸地区」への探訪でかなえられた。「三戸の台地から相模湾越しに眺める富士山は絶景!」との情報通りだったことになる。

  見渡す限りの大根畑。夫婦ふたり掛かりでネットのはがし作業をしていたおじさん曰く。「もう少し寒くなると、ここからの富士山の眺めはは最高だよ」。



長者ヶ崎・海とヨット
長者ヶ崎海岸

  長者ヶ崎の断崖の下に約500mほどに渡って広がる海岸は、マリーンスポーツの絶好のスポット。日本のヨット発祥の地・葉山マリーナを中心として、一年中ヨット愛好家達で賑わっている。夏の海水浴シーズンには、森戸、一色、大浜など葉山の海水浴場のひとつとして賑わう。



葉山しおさい公園、葉山しおさい博物館
葉山しおさい公園

  葉山御用邸とは300mほどの距離にある。御用邸の付属邸があった場所で昭和62年(1987年)6月の開設。園内は、黒松林と滝などを設えた日本庭園の佇まいは風情がある。心の和む美しい公園である。海岸沿いに設けられた散策路からは、季節の天候によっては富士山、箱根、伊豆半島などが一望できるらしい。

  園内には、平成5年(1993年)皇太子殿下のご成婚を記念して造られた塩見亭があり、お茶室としても利用できる。

葉山しおさい博物館
  葉山しおさい公園内にあり、「相模湾の海の生物」をテーマにして貴重な展示品が収集されている博物館である。葉山沖の水深600〜1000mの海底に住んでいる深海の生物を紹介した「葉山沖の深海」、相模湾に住む貝類や魚類、甲殻類など海洋生物の特色紹介などは見ごたえがある。
  昭和天皇が葉山海岸周辺で採集された標本28点など、新しく発見された種類も展示されている。
落ち着いた雰囲気を醸す塩見亭 相模湾に住む貝類、約650種が生態写真と共に展示。鮮やかな色合いの二枚貝など・・・



神奈川川県立近代美術館・葉山館
神奈川県立近代美術館葉山

  ここの葉山館は、昭和26年(1951年)11月に鎌倉の鶴岡八幡宮内に日本で最初の公立近代美術館として開館した鎌倉館、その後の北鎌倉館に続く3番目の県立近代美術館施設となるものである。

  開館は平成15年(2003年)10月11日。
オープン後5日目の訪問の機会に恵まれ、来館者で賑わう館内の雰囲気を味わうことができて良かった。



県立近代美術館葉山の中庭から眺める夕照
10月16日 16:32
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