メジロが飛び込んできた!
〜ウソのようなホントの話・メジロ騒動記

  昼下がりのひととき、突如としてわが庭先に舞い込んできた珍客メジロとの騒動記である。時間にしてわずか3分足らず、束の間の“天使”との楽しい触れ合いであった(2004/4/12)




  珍客メジロ、突然の来訪!−それは突然の出来事であった。初夏を思わせるような陽気となった昼下がりのひととき、鉢物の植え替え作業は佳境に入っていた。突然、何かが何かにぶつかったような鈍い音が聞こえた。聞きなれない物音だったのが気になって、音のしたほうをアチコチ見回ってみた。

  すると、なんとなんと。きれいな薄ミドリをしたメジロが、コンクリートの上に横たわっているではないか! クロメを閉じて眼はシロシロ。片方の羽根は半開きのままで身動きひとつしない。

  どうやら、ガラス窓に誤って激突しノウシントウを起こしてしまったようだ。横たわるメジロの姿を目の前にして、タダ呆然と見下ろすばかり。が、幸いにも、そのうち眼をパチパチし始めた。羽根もきれいに丸めた。イノチに別状はなさそうだな。やれやれ。

  スワ、写真を! 手は土で汚れたままであったが、あわててカメラを取りに部屋へ。そして必死にシャッターを押し続ける。

  休息場所はコンクリートの上よりは別のところのほうが良いのではないかな。ジイ〜ッとしたままのメジロを左手で鷲づかみにして、草花の上に移動させてやる。メジロの柔らかい羽毛の感触が伝わってくる。体の温もりがなんと暖かいものであったか。波打つ心臓の鼓動がなんと強いものであったことか。なにやら感動しちゃった瞬間であった。

  そのうち、鳥かごで飼うことができるかな、なんて考えが頭をかすめてきた。が、これは所詮浅はかな人間が考えるワル知恵というべき。鳥かごの持ち合わせはないし、無理な話と言わざるを得ない。

  そうこうするうち、「捕獲されるのではないか」と察した賢いメジロは、突然、広い自然の空へ羽ばたいて行った。あっという間の出来事。

  やれやれ、これでいいのだ。時間にしてわずか3分足らずの、あわただしく束の間の、珍客メジロとの楽しい触れ合いのひとときであった。