(01)平成13年・上期 1月〜6月


平成13年(2001年)6月23日
第196回 定例会

○ 今日からK女史が新しい会員として我がグループに加わった。昭和40年代の後半に、先代の大先生が存命中であった頃たびたび謡会でご一緒させていただいた先輩女史である。彼女の味わいある「隅田川」のシテ役、別れた子供を慕って狂乱するさまを演ずるその謡いぶりは、さすがであった。

○ 小生の演し物は、「熊野」と「七騎落」のワキ役、「隅田川」の子方役、そして「敦盛」「小督」の地謡役としての5曲。「隅田川」では、おシテさんの熱演につい乗せられてしまった。

○ 参加者10名。


平成13年(2001年)6月9日
師匠による春の別会

○ 渋谷・能楽堂での恒例の春の別会。Oさんの素謡「卒塔婆小町」、Kさんの舞囃子「高砂」、Oさんの舞囃子「雲林院」、Sさんの独吟「俊寛」と、いずれも大曲で立派なおつとめ。

○ 昼食をはさんで夕方6時過ぎまで、時間の経つのが早く感じられる観能会を楽しんだ。再びあの舞台に出てみたい衝動にも駆られてしまった。





平成13年(2001年)5月26日
第195回 定例会

○ 今日の演し物は、「采女」のシテ役、「景清」のワキ役、「大仏供養」の子方役、そして「頼政」「楊貴妃」の地謡役としての5曲。

○ 「景清」は、平家の侍悪七兵衛景清がやせ衰え盲目となって身を落した境遇のところを描く悲劇的な内容。平景清を祀っている生目神社や景清廟など、九州・宮崎にゆかりの曲でもある。

○ 参加者9名。


平成13年(2001年)5月18日
日本の能楽、UNESCOで「無形遺産の傑作」に指定

○ 日本の「能楽」が、国連教育科学文化機関(UNESCO)のパリ本部で、「人類の口承および無形遺産の傑作」19件のうちの一つに宣言されたというニュースが報じられた。貴重な芸能や文化を後世に伝えるために、ユネスコが創設した制度の第1号というもの。

○ 「能楽」が「世界の人類共通の宝」と認知されたわけで、能楽をかじっている末端のひとりとしてまことに喜ばしい限りである。








平成13年(2001年)4月28日
第194回 定例会

○ ほぼ2ヵ月ぶりの謡い会への出席で、久しぶりに謡いの醍醐味を味わうことができた。

○ 
演し物は、「兼平」のワキ役、「善知鳥」のツレ役、「雲雀山」の子方、そして「杜若」「歌占」の地謡役としての5曲。しみじみとした親子恩愛の情を謡う「善知鳥」、そして美しく咲き匂う杜若の花を謡う「杜若」などは素晴らしい物語。

○ 参加者8名。足がしびれて困ったが、恒例によって謡い終わって喉を潤す麦酒と日本酒の味も久しぶりで、これまたすこぶるよろし。


平成13年(2001年)3月24日
第193回 定例会

○ はるか九州の地からの遠距離電話で、本日の「例会欠席」の連絡をすませた。当面、「歌舞音曲」を慎むべきは当然ながら、4月例会への出席に期待することにしよう。


平成13年(2001年)2月24日
第192回 定例会

○ 今日の2月例会は、1月の「謡い初め会」が雪による開催中止となってしまったため、同志の顔合わせ・練成会としては、今年初めてのものであった。

○ 演し物は、「安宅」のシテ役、「海士」のワキ役、「絵馬」のツレ役、そして「高砂」「雲林院」の地謡役としての5曲。

○ 重習の大曲「安宅」については、O先輩が欠席したための代役。「勧進帳」の部分は、正直、シンドイものであった。足がしびれ、体中からは汗が吹き出す・・・「熱演タイムの55分間」であった。

○ 参加者7名。謡い終わっての麦酒と日本酒の味も久しぶりで、良かった。


平成13年(2001年)2月17日
お師匠主催の謡会

○ 謡いのお師匠が主催する恒例の謡会を観世能楽堂(東京・渋谷)で鑑賞した。

○ 大鼓・小鼓や笛による囃子の“調子”にあわせ、地謡による“バックコーラス”を背景にしてシテが舞い、謡う。面をつけ、豪華な装束を身にまとって舞うプロの能楽師による熱演は「さすが!」である。久しぶりに「伝統芸能の世界」を堪能できた。

○ 上演曲目は、「狂言・六地蔵」を間にはさんで、「能・橋弁慶」と「能・井筒」の2曲。

○ 「橋弁慶」では、「…大の男の弁慶は、長いなぎなた振り上げて、牛若めがけて切りかかる・・・(小学唱歌)」様子や、五条の橋の上で展開する武蔵坊弁慶(シテ)と早業の少年牛若(子方)との果し合いの場面など、さすがに見事なものであった。

○ 「井筒」は、井筒の女とも呼ばれる紀の有常の娘が、男(在原の業平)に対する恋慕の情を美化したところを主題としており、古寺の秋景色(ススキ)の中にある井筒の情趣がしみじみとした気分を添えるもので、感動ものでもあった。


平成13年(2001年)1月27日
第191回 定例会

○ 本年の「謡い初め会」は、この冬3回目となった大雪のため、残念ながら中止となってしまった。

○ 恒例の「紋付ハカマ着用」による謡会で、気分も引き締まり大いに盛り上がるものと期待されていたが、自然災害現象には逆らえない。しばらく、外気に触れることのなかった「紋付ハカマ」にとっても、せっかくの“虫干し”の役目をも務めてもらう筈であったろうに、残念な雪騒動であった。

○ 「神歌」を謡い、お神酒を戴く・・・。これこそ、謡の真髄。注文済みであった特別懐石料理がキャンセルされたことも、これまた残念?!“クイモノの恨み”であるかも。