(平成17年(2005年)上期・1月〜6月)







平成17年(2005年)6月11日
第96回METI謡曲連盟春季大会

○ 所属する流派別に演目を披露していく従来方式による素謡会。所用あって喜多流の諸氏が全員欠席、仕舞なしなどもあってやや盛り上がりに欠ける会となった。

○ 演目は次のとおり。うち、「藤戸」(九番習)のシテ役(漁師ノ母、漁師)、「大原御幸」(九番習)のツレ役(法王)を勤めた。
 観世流…「藤戸」「吉野天人」「大原御幸」の3曲
 宝生流…「鞍馬天狗」
藤戸
(上歌)『住み果てぬ。この世ハ仮乃宿なるを。この世ハ仮の宿なるを。親子とて何やらん。まぼろしに生まれ来て。別るれば悲しみの。思ひハ世々を引く。絆となって苦しみの。海に沈め給ひしをせめてハ弔はせ給へや跡とむらはせ給へや』

(地)『亡き子と同じ道になして賜ばせ給へと。人目も知らず伏し転び。我が子返させ給へやと。現なき有様を見るこそ哀れなりけれ』

大原御幸
(上歌)『古りにける。岩の隙より落ち来る。岩の住み隙より落ち来る。水の音さへ由ありて。緑羅乃垣翠黛の山。絵に描くとも。筆にも及び難し。一宇乃御堂あり。甍破れてハ霧不断の香を焚き。樞落ちてハ月もまた常住乃燈火をかかぐとハかかるところか。物凄やかかる所か物凄や』



平成17年(2005年)6月5日
相謡会一部会・6月例会(兼研修会)

○ 研修会(6、12月)を兼ねた月例会。演目は「恋重荷」「正尊」の重習2曲を含め「和布刈」「朝長」「胡蝶」「恋重荷」「三輪」「正尊」「鵜飼」の7曲。いずれも味のある、謡い甲斐のある曲ばかりであった。

○ 割り当ては「恋重荷」のワキ(臣下)役。お気に入りのひとつでもある。その他の地謡役。正味6時間余の、いつもながらのハードな謡会ではある。
恋重荷
(地)『由なき恋を管筵。臥すして見れども寝らればこそ。苦しや獨寝乃。我が手枕の肩替へて。持てども持たれぬそも恋ハ何の重荷ぞ』



平成17年(2005年)5月28日
第243回信和銘人会・5月例会

○ 出席者10名により、「頼政」「采女」「楊貴妃」「景清」「大仏供養」の5曲を演ず。うち、「楊貴妃」のシテ(楊貴妃)、「景清」のツレ(人丸)、「大仏供養」の地頭とその他全曲の地謡を勤める。
 
○ 絶世の美人(楊貴妃)が七夕の夜に帝と密かに交わした"比翼連理"の契りの言葉…。その情景がどの程度演じられただろうか。
楊貴妃
(上歌)『されども世の中の。されども世の中の。流転生死の習ひとて。その身ハ馬嵬に留まり魂ハ。仙宮に到りつつ。比翼も友を恋ひ独り翼を片敷き。連理も枝朽ちて。忽ち色を変ずとも。おなじ心の行方ならば。終の逢瀬を頼むぞと語り給へや』

景清
(上歌)『とても世を。背くとならば墨にこそ。背くとならば墨にこそ。染むべき袖の浅ましや窶れ果てたる有様を。我だに憂しと思ふ身を。誰こそありて憐れみの憂きを訪ほ。由もなし憂きを訪ふ由もなし』



平成17年(2005年)5月21日
第38回相謡会定期総会&素謡会

○ 定例の年次総会。新役員等の選出、平成16年度事業報告並びに同収支決算報告、平成17年度事業計画並びに同予算案の審議等が行なわれた。なお、来年(18年度)が相謡会40周年に当ることから、「謡曲会史」発行についての編集方針等の提案説明が行なわれ、提案どおり決定された。

○ 総会終了後、素謡会に移行。演目は「屋島」(観二)、「杜若」(宝)、「班女」(観一)、「藤戸」(宝)、「野守」(観一)の5曲。一部会からの演目である「野守」のシテ役と「班女」の地謡を勤めた。



平成17年(2005年)5月8日
相謡会一部会・5月例会

○ 演目は「嵐山」「敦盛」「玉鬘」「芭蕉」「弱法師」「大仏供養」「昭君」「海士」の8曲で、例月の通りハードなもの。割り当てられた役は「玉鬘」のワキ役と「昭君」の子方。その他の全曲に地謡として参加。ハードだが、爽快感が残るのも事実。



平成17年(2005年)4月23日
第242回信和銘人会・4月例会

○ 師匠の別会と重複したためにご婦人4名が欠席となり、男性だけの謡会となった。演目は、「兼平」「杜若」「歌占」「善知鳥」「雲雀山」の5曲。うち、「杜若」のシテ、「兼平」のワキ、「歌占」と「雲雀山」の地頭を勤める。

○ 「雲雀山」の地謡、すこぶる気分良し。
杜若
(上歌)『在原の。跡な隔てそ杜若。跡な隔てそ杜若。澤辺の水の浅からず。契りし人も八橋の蜘蛛手に物ぞ思はるヽ。今とても旅人に。昔を語る今日の暮やがて馴れぬる心かなやがて馴れぬる心かな』

善知鳥
(上歌)『所は陸奥の。所は陸奥の。奥に海ある松原の。下枝に交る汐蘆の。下枝に交る汐蘆の。末引きしをる浦里の籬が島の苫屋形。圍ふとすれど疎らにて。月の為にハ外の浜心ありける。住居かな心ありける住居かな』

雲雀山
(上歌)『月ハ見ん。月にハ見えじ存へて。月にハ見えじ存へて。浮世を廻る。影も羽束師の森の下草咲きにけり花ながら刈りて売るらうよ。日頃経て。待つ日ハ聞かず郭公。匂ひもとめて尋ね来る。花橘や召さるヽ花橘や召さるヽ』



平成17年(2005年)4月3日
相謡会一部会・4月例会

○ 演目は、「養老」「仲光」「葛城」「西行桜」「班女」「高野物狂」「野守」の7曲。うち、「班女」と「野守」は5月に開催される合同総会への一部会からの出演曲であることから、その予行練習を兼ねるものとなった。

○ 出番は「野守」のシテ役及びその他全曲の地謡を勤める。毎度の事ながらハードだ。



平成17年(2005年)3月26日
第241回信和銘人会・3月例会

○ 先月に引き続き、出席率は良好で11名の出席となった。演目は、「屋島」「蘆刈」「百萬」「藤戸」「邯鄲」の5曲。うち、「藤戸」のシテ役と「屋島」「邯鄲」の地頭を勤める。充実感あり。
屋島
(シテ)『智者ハ惑はず』 (地)『勇者ハ懼れずの。弥猛心の梓弓敵にハ取り伝へじと。惜しむハ名のため惜しまぬハ。一命なれば。身を捨ててこそ後記にも。佳名を留むべき弓筆の跡なるベけれ』

藤戸
(上歌)『住み果てぬ。この世ハ仮の宿なるを。この世は仮の宿なるを。親子とて何やらん。まぼろしに生まれ来て。別るれば悲しみの。思ひハ世々を引く。絆となって苦しみの。海にも沈め給ひしをせめてハ弔はあせ給へや跡とむらはせ給へや』

邯鄲
(上歌)『我が宿の。我が宿乃。菊の白露今日毎に。幾代積もりて渕となるらん。よも尽きじよも尽きじ薬の水も泉なれば。汲めども汲めども弥増に出づる菊水を。飲めば甘露もかくやらんと。心も晴れやかに。飛び立つばかり有明の夜昼となき楽しみの。栄華にも栄耀にもげにこの上やあるべき』



平成17年(2005年)3月6日
相謡会一部会・3月例会

○ 2月例会が先週開催されたばかりで、1週間置いての顔合わせとなった。演目は、「高砂」「田村」「胡蝶」「玄象」「松虫」「雲林院」「水無月祓」の7曲。

○ 出席者21名を数えるも、最後の演目時まで居残ったのは約半数に止まる。ハードな演目数が原因となっているのかもしれない。



平成17年(2005年)2月27日
相謡会一部会・2月例会

○ 恒例の素謡会。会場の都合により、通常の開催日「第1日曜日」が「第4日曜日」に変更されての開催となった。

○ 演目、「鶴亀」「屋島」「熊野」「當麻」「吉野天人」「自然居士」「柏崎」の7曲。10時より16時までみっちり。しびれ感とともに、少々の疲労感も覚える。



平成17年(2005年)2月26日
第240回信和銘人会
・2月例会
○ 闘病中のS氏を除く12名全員の出席となり、久々に賑わう。演目は、「高砂」「絵馬」「安宅」「雲林院」「海士」の5曲。

○ 終演後は退席して、予定していた別会へ移動。恒例の食事会に出席できないのに後ろ髪引かれるも、別件の未知の楽しさ?もまんざらでもなさそう。
高砂
(上歌)『四海波静かにて。国も治まる時つ風。枝を鳴らさぬ御代なれや。あひに相生の。松こそめでたかりけれ。げにや仰ぎても。事も疎かやかヽる代に。住める民とて豊かなry。君の恵みぞ。ありがたき君の恵みぞありがたき』

安宅
(シテ)『鳴るハ瀧の水』
(地)『日ハ照るとも。絶えずとうたりとくとく立てや立束弓の。心ゆるすな関守の人々。暇申してさらばよとて。笈をおっ取り肩にうち懸け。虎の尾を踏み毒蛇の口を。遁れたる心地して。陸奥の国へぞ。下りける』

雲院林
(上歌)『げに枝を惜しむハ又春のため手折るハ。見ぬ人のため。惜しむも乞ふも情けあり。二つの色乃争ひ柳櫻をこき交ぜて。都ぞ春の。錦なる都ぞ春の錦なる』



平成17年(2005年)1月29日
檀の会・第十八回〜松木千冬十三回忌追善〜

○ tanto(たんと)にとって忘れることの出来ないお師匠さんが無念の病に倒れられて早や12年。今年の檀の会は、亡き師を偲ぶ「十三回忌追善能」となった。観世宗家をはじめ、武田志房師など錚々たる出演者による競演はさすが。手向けられた追善能が盛会裡に催された情景に接することが出来て感慨ひとしおなものがあった(「歳時記topics」の「松木千冬十三回忌追善」に別掲)。



平成17年(2005年)1月22日
第239回信和銘人会・1月例会(謡初め会)

○ 昨年12月の初め、突然の病魔に襲われて以来の闘病入院生活を余儀なくされているS氏を欠いたまま、10名(O氏は途中退出)による本年初の顔合わせとなった。

○ 冒頭、全員でお神酒をいただき、続いて「神歌」の唱和。紋付き、袴着用の効果もあるのか。気分はぐんと引き締まる。

○ 演目は、「神歌」「」「二人静」「求塚」「野守」の5番。そのうち、「神歌」の地頭、「二人静」のシテ、「求塚」のシテの出番。難儀なお勤めではあった。


二人静
(上歌)『木の芽春雨降るとても。木の芽春雨降るとても。なほ消え難きこの野辺の。雪乃下なる若葉をば今幾日ありて摘ままし。春立つと。云ふばかりにや三吉野の山もかすみて白雪の消えし跡こそ。道となれ消えし跡こそ道となれ』

求塚
(上歌)『道なしとても踏み分けて。道なしとても踏み分けて。野澤の若菜今日摘まん。雪間を待つならば若菜も若しや老いもせん。嵐吹く森の木蔭小野の雪もなほ冴えて。春としも七草乃生田の若菜摘もうよ生田の若菜摘もうよ』




平成17年(2005年)1月9日
相謡会一部会・1月例会(謡初め会)

○ 本年初の顔合わせ。10時より16時まで、恒例の素謡会みっちり。演目は、「難波」「花月」「定家」「」「采女」「阿漕」「殺生石」の7番。

○ 役割分担は「殺生石」のシテ役(里女、野干)。ワキ役・望さん、地頭役・山さんとのコンビよろしきを得て、萬バンザイだったのではないかな。自画自賛!