キアゲハの成長観察記(1)
〜幼虫・さなぎ・羽化




(2003/9/20 08:45 : アシタバと戯れる幼虫・たんと菜園)

  我が菜園で栽培しているアシタバに、9月初め頃から住み着くようになった幼虫たち。どうやら、蝶の仲間・キアゲハらしい。鮮やかな色彩模様は表現し難いほどに美しく、体長は日に日に大きくなっていく。
  今後どのような成長過程をたどるのだろうか、楽しみである。家の身近に置いて観察することにした。(2003/9/25)





食欲旺盛、大好きなアシタバの葉っぱ
  アシタバが新しい葉を開くたびに、それを待っていたかのように喰いちぎっていく幼虫たち。その見事な喰いっぷりにはただ驚くばかり、あっぱれ。
03/9/20 08:45 03/9/25 08:40 03/9/25 08:40


プラスチック製容器へ移住
  成長過程の観察態勢を強化!するため、幼虫2匹を家の身近に置くことにしてプラスチック製容器に「移住」させた。そして、観察を進めていく上での便宜上、2匹それぞれに名前を付けるととし、体格良好で活発な動きを見せる方を「第1号」、他方を「第2号」と命名。

  なお、移住時点(9月25日)における体長は、それぞれ4.5cmと4.0cmであった。
03/9/25 08:59 食欲もりもり 03/9/27 07:33 排便も旺盛なペアー? 03/9/27 07:35 第1号(手前)は元気よい



第1号が逃亡して行方不明に!
あわてて、容器にネットカバーを施す
  容器内が汚物いっぱいとなっては生活環境上も芳しくなかろうと、“シーツ”の取り替え作業は欠かせない日課のひとつとなった。掃除後は、いつもの通り、屋外の倉庫内で暫時の休憩。

  小一時間後、家の中に取り込もうとして内部をのぞくと、なんと、第1号の姿が見えない。ビックリ仰天!どうやら、窮屈な容器内生活を嫌がって逃亡してしまったようだ。あるいは、サナギ化に適した場所を求めての逃避であったろうか。

  近辺を方々探し廻るも、どこへ行ったか行方知れず。ああ、無念。後悔先に立たず。早速、ネットカバーをつけることにした。あとは、第2号に望みを託すしかない。
03/9/27 07:46 第1号が行方不明に


第2号、糸引き開始
  畑から容器に移住して4日目の朝、第2号の容態に変化が見られる。

  体を縮じませながら、懸命に糸を吐き続ける。サナギ化の動きが始まったようだ。

  わが身を何ものかに固定させようとする本能的な動作なのであろう。
03/9/29 06:19 糸引き開始 03/9/29 06:19 背中を丸める


第2号、サナギ化に成功
  糸引きを始めた日の翌朝(移住後5日目)、脱皮が終わってサナギ化しているのに気付く。きれいなシマ模様が消えて、全身が黄白色に変身! 姿かたちが一変しているのを見て、ビックリするやら、感激するやら。

  順調に行けば、サナギ化10日後ぐらいで羽化するらしい。何としても、その瞬間を見届けたいものだ。
03/9/30 09:03 蛹になった 03/9/30 09:04 薄緑色が柔らかい 03/9/30 16:14 羽根がやや茶色に


やや黒っぽくなった羽根

03/10/3 08:37 羽根がやや黒っぽい 03/10/7 10:23 黒ずみ進む 03/10/9 08:32 蛹化後9日目


サナギ化後、11日経過
  幼虫からサナギに孵って既に11日が経過した。定説によると、羽化の時期はサナギになって10日目ぐらい。気候によっては、そのまま越冬することもあるらしい。

  全体的に茶褐色化が進み、薄いハネのような部分もハッキリしてきたような気もするが、実際に生存し続けているのか、もしかしてすでに息絶えているのでは…との一抹の不安に駆られてくるのも事実だ。


ドライブの旅先にて
  羽化するのは今日か、明日か。気を持たせる毎日が続く。

  予定していた1泊ドライブ旅行の日がきた。まさか、サナギを家に残したままでなんてことが、出来るわけがない。結局、クルマの後部座席に同乗させての旅発ちとなった。道中のVIP待遇扱いに気付いているのか、いないのか。愛すべき我がサナギ君はただ眠るばかりであった。
03/10/15 08:52 自宅出発前 03/10/16 08:57 旅先にて 03/10/16 08:57 特段の変化なし


逃走していた幼虫第1号、24日ぶりにサナギで発見
  朗報は忘れた頃にやって来るものなのか。驚くなかれ、行方不明になっていた第1号がサナギとなって、なんと古新聞入れ用紙袋の“壁面”にしがみついているのを発見! 良くもまあ、紙の表面にしっかり密着していたことか。危うく、古紙回収業者に出すところ!!

  さっそく、しがみ付いている部分をハサミで切り取って容器ケースに移住させる。第2号との同居生活が24日ぶりに復活することと相成った。第2号に比べ、第1号の背中や羽根の部分が白っぽく見えるのはどういうことだろうか。日光不足だったということ?
03/10/21 08:41 第1号、サナギで発見 03/10/21 08:43 羽根部分が白い第1号 03/10/21 09:07 第2号と再び同居生活



サナギ状態に特段の変化は見られず・・・
 
9月30日にサナギ化して既に26日が経過した。定説によると、サナギ化後10日余りで羽化を迎えるとのことであるから、その期限はとっくに過ぎたことになる。

  越冬状態に入っているのか、あるいは既に息絶えているのか。羽化の時期がいつになるのか知るよしもないが、暫時、観察を続けたいと思う。(2003/10/26)


キアゲハの成長観察記(2)